また、更新の日が空いてしまった。
パンプを求めすぎた結果頭がどうにかなってしまったゴリラの考えや体験を共有したい、文字に起こしたいという意欲があり、無理なく毎日更新がほぼ出来ていた。
しかしここ数日更新が止まっていた。
なぜなら僕は中国にいたのだ。
数年前から中国で働くことになっている親族がおり、そこでお世話になり数日間滞在していた。
その中で経験したことでジャンル別に記事にしていこうと思っている。今回はその第一回だ。
中国といえば真っ先に出てくることの一つにネット規制がある。
実は今回が初めての中国旅行ではなく、これまでの経験との違いも踏まえながらネット規制の現実について共有していきたいと思う。
前回僕が中国を訪れたのは3年前、その当時からすでにSNS類はほぼ使えなかった。
ツイッターは当然、当時はインスタグラムのアカウントを持っていなかったが使えなかったようだ。
そして日本で最も使われる連絡手段にもなっているLINE。
これに関しては一応「見れる」という表現が正しいだろう。
例えば、日本から午前10時に送信されたメッセージが中国にいる僕の元に届くのが夜21時になる、そんなイメージだ。
使えなくはないが、とても不便というのが当時の記憶に残っている。
そして今回の旅行。
日本で使っているSNSは全てもれなく使えなかった。
そしてGoogle検索なんかも当然のごとく使えなかった。
成田空港に到着後、機内モードを解除した瞬間に約1週間溜まったLINEやメールの通知が舞い降りてきた。友達が増えたんかと錯覚してしまうほどにだ。つまり向こうでは一切受信出来ていなかったのだ。
現地の人に少し話を聞くと、Googleマップで魚釣島(中国名:釣魚島)を日本領と表記していたことがきっかけになったともいう。それ以来Googleが中国でも厳しく規制されるようになったみたいだ。
このあたりは詳しく調べてみないとはっきりしないが、現地の人が言うのだから大きな間違いはなさそうだ。
普段使っている中で唯一まともに使えたのがYahooだ。こちらも検索は不可だが、トップページからニュース記事を見ることは出来たため、最低限の情報を得ることは可能だった。
そんなこんなでSNS、さらにはGoogle検索も使えずに現地で過ごしたのだが、本題はここからである。
実はこのネット規制のおかげで、僕はとても良い経験が出来たと思っているのだ。
というのも、僕は生まれながらにしてデジタル世代。
朝起きてすぐにパソコンを開いてはツイッターで情報収集、日経電子版をチェック、インスタグラムでマッチョたちのトレーニングを勉強する。
これが朝のルーティン。
そして夕方はブログを書いたり、プログラミングをしたりして夜にはまたSNSのチェックに日課のYouTubeタイム。
まさに一日中デジタルに囲まれている。
デジタルゴリラだ。ゴリラですらデジタルを使いこなして生きているのだ。
人といる時間やジムにいる時間、勉強をしている時間以外はおそらく常にデジタルと向き合っている。
むしろ今まではそのことに気づいていなかったのかもしれない。
しかも僕は今回あえてポケットWi-Fiも用意して行かなかったため、外では一切ネットにつなぐことが出来なかった。
こうしてほぼ全てのデジタルから切り離された僕は、何をしていいかわからなくなった。
これは大問題だ、普段日本にいてデジタルと一切の関係を断ち切られることなんてほぼない。
だが、その状態が現実で起きている、しかも知らない土地で知らない人に囲まれて。
この時僕は不安が一周回ったのか、すごくワクワクしたのだ。
知らない街を好きなだけ歩き回り、異国人の生活を観察したり街の流れを考えたりする。
日本と比較してみたり、これまで訪れた他の国とも比較をしてみたりした。
デジタルから切り離された僕はとても脳内がスッキリしていた。
わかならないことがあれば、ネット検索をして大抵のことは10秒程度で解決してしまう。
僕らはすぐに答えを求めたがる性質が身についてしまったように感じたのだ。
思考停止して、自分で考えることをやめ、物事の真理を考えようとしなくなってしまっているのではないか。
そう思ったのだ。
これはものすごく重大な問題だと僕は感じていて、なんでも検索に頼るのではなく、考えるべきことは考えて自分の意見の持つことの大切を感じた。
これは日本の抱える政治・経済の問題ももちろんそうだが、中国で目の当たりにした大気汚染や貧富差などの問題もネットに全ての答えが載っている訳ではないのだ。
考えなくなってしまった僕らはもしかしたらすごく危険な状態にあるのかもしれない。
情報は可能な限り収集して、そのあとは自分でしっかり考えて整理をする。
僕はこれからは時々、そっとツイッターを閉じて、スマホ・パソコンから手を離して自分の頭で物事を考える時間を設けていきたいと思う。
ネットが規制されている環境下でこそ、この発想に至る事ができたのだろう。
でも流石に中国でもGoogleやその他SNSを使えるようにして欲しいのが本音である。
補足だが、実は中国でもネット規制を回避できる方法はある。
VPN 中国
などで検索すれば詳細な解説が山ほど出てくるので気になる方は調べてみて欲しい。
では次回は、経済面での体験を共有していきたい。